"荻上 建設も必要だし、瓦礫撤去も必要だし、いろいろ助けようということが重要です。しかし、といってみんなが腕まくりして現地にいった結果、東京の企業、ゼネコンばかりが儲かって地元にお金がおちていかない、というような事態には注意しなくてはなりません。
飯田 阪神淡路大震災のときは、復興資金の約9割が県外流出しました。1割しか地元におちていない。たとえばキッチンカープロジェクトみたいなものを、すでに大手の外食チェーンがはじめていて、「復興のためだから普段の価格よりも100円引きです」というようなやり方で進めている。さらには、社会貢献活動だから、ただでやってもいいというチェーンもいる。でも、これは本当にやめてほしい。地元でやっている飲食店は、隣にゼロ円のものがきた時点で、営業ができなくなります。
荻上 いうなればチャリティデフレが生じて、商品が売れなくなれば、雇用も失われるでしょう。
飯田 阪神淡路大震災の例でいうと、たとえば被災地で床屋さんが髪をただで切りますといったときに、美容師さんが日本中から集まった結果、神戸の美容院の数が半分になりました。また、お弁当屋さんが営業を再開している飲食店街のとなりで、無料でもっと美味しくて高価なものを配りつづける店が出た結果、そのお弁当屋はなくなりましたという話があります。
荻上 発展途上国支援の議論でも同じですが、支援の仕方を間違うことで地元産業がつぶれるということを繰り返してきたわけですね。腕のいいお医者さんが地元にどんどん入ってきて無料で診察した結果、地元のお医者さんが稼げなくなり病院がつぶれるというふうに。無料でやることがすべて善意になっているわけではない。
もちろん、無料でやっていいケースもあります。ぼくが仙台で聞いた話があります。3月11日の14時頃、美容院に行って髪の毛を染めていた女性が、ちょうどブリーチをした直後に被災して、ブリーチ剤をつけたまま避難所に駆け込みました。水も止まっていましたので、かぶれて痛い頭をずっと洗えなかったのですが、4日後にようやく水がきた。それを受けて、避難所の近くで床屋さんがシャンプーを無料でやりますということになり、もう人生これまでにないくらい感謝した、ということです。
初期フェーズで、数あるものをみんなでしっかりシェアしましょうといった場合は、無料で行なう善意というのは非常に有効だと思います。もともとお金がなければ、何かに使われるはずのお金を奪うということもないでしょう。けれども、それと復興ということになるとまた別の議論になりますね。"
飯田 阪神淡路大震災のときは、復興資金の約9割が県外流出しました。1割しか地元におちていない。たとえばキッチンカープロジェクトみたいなものを、すでに大手の外食チェーンがはじめていて、「復興のためだから普段の価格よりも100円引きです」というようなやり方で進めている。さらには、社会貢献活動だから、ただでやってもいいというチェーンもいる。でも、これは本当にやめてほしい。地元でやっている飲食店は、隣にゼロ円のものがきた時点で、営業ができなくなります。
荻上 いうなればチャリティデフレが生じて、商品が売れなくなれば、雇用も失われるでしょう。
飯田 阪神淡路大震災の例でいうと、たとえば被災地で床屋さんが髪をただで切りますといったときに、美容師さんが日本中から集まった結果、神戸の美容院の数が半分になりました。また、お弁当屋さんが営業を再開している飲食店街のとなりで、無料でもっと美味しくて高価なものを配りつづける店が出た結果、そのお弁当屋はなくなりましたという話があります。
荻上 発展途上国支援の議論でも同じですが、支援の仕方を間違うことで地元産業がつぶれるということを繰り返してきたわけですね。腕のいいお医者さんが地元にどんどん入ってきて無料で診察した結果、地元のお医者さんが稼げなくなり病院がつぶれるというふうに。無料でやることがすべて善意になっているわけではない。
もちろん、無料でやっていいケースもあります。ぼくが仙台で聞いた話があります。3月11日の14時頃、美容院に行って髪の毛を染めていた女性が、ちょうどブリーチをした直後に被災して、ブリーチ剤をつけたまま避難所に駆け込みました。水も止まっていましたので、かぶれて痛い頭をずっと洗えなかったのですが、4日後にようやく水がきた。それを受けて、避難所の近くで床屋さんがシャンプーを無料でやりますということになり、もう人生これまでにないくらい感謝した、ということです。
初期フェーズで、数あるものをみんなでしっかりシェアしましょうといった場合は、無料で行なう善意というのは非常に有効だと思います。もともとお金がなければ、何かに使われるはずのお金を奪うということもないでしょう。けれども、それと復興ということになるとまた別の議論になりますね。"